第一回青年部大会決議案 1 青年部準備会の軌跡  青年部準備会が立ち上がって2年です。  会議や取り組みを通じて準備会の構成員はどんどん増えていきましたが、その中にも様々な考えや立場の人がいます。やらされていると感じていた人、燃えている人、楽しいのが好きな人、なにかできそうな所と期待を抱いている人等様々です。支部から要請を受けて出てきた人もいれば、支部執行委員に立候補した人もいます。  福祉保育労の組合員の中にも「組合とは…」という論議で話せる人ばかりではなく、組合って何するところ?と首を傾げている人もいると思います。同じ事をするのにもやらされていると感じている人とやらなければと感じている人では取り組む姿勢が変わってきます。しかし、ゴールが同じであれば人それぞれ歩く道は違っていてもいいのではないでしょうか?そのいろいろな道を模索することができるのが青年部なのです。  青年部準備会が立ち上がる数年前、地本の執行委員会で若者の組合離れの問題が上がりました。組合員の中から「今の若い人は何を考えているかわかりにくい」「組合よりも自分のしたいことを優先させてしまう」という話もよく聞くようになり、若者がどんなことを考えているのか、どんな取り組みや学習をすれば集まってくれるのか?が話されました。  そこで組合員の意見を集約して新たな取り組みを行っていってはどうか?そのためのプロジェクトとして「青年委員会」が発足しました。  発足当時は地本の執行委員4~5人が委員にあたり、さっそくアンケートの取り組みを行いました。返ってきた意見で多かったのが、「組合で使われる言葉が難しい」「早すぎてテンポがつかみにくい」「面白くない」「わからないのは自分だけなのか?勉強が足りないのはわかるがこんなこと誰に聞けばいいのか?」という意見でした。  そこで、若い人たちには若い人たち特有の悩み、要求があるはず!そこをなんとか解決出来ないか?解決することで若者の組合離れを少しでもなくし、魅力ある組合作りが展開して行けないか?ただ組合に流されているだけではなく、自分たちの力で流れをつくり出す事が出来るのではないか?と青年委員会で話し合い、様々な活動を行ってきました(※青年部準備会のあしあと参照)。2年間の活動を行ううちに青年委員会のままでは活動が制約されてしまう部分も出てき、より活動を発展させるために青年部をつくろうということになり、その為の準備機関である青年部準備会を発足させました。  青年部ってどんなことをすればいいのか?どのようにして軌道に乗せるのか?全くわからないままの出発でした。元々あるところを作り替えていくのなら話は早いし、親組合に作ってもらえば青年部は簡単に作ることが出来るのかもしれません。しかし青年部準備会はそういう道のりを選ばず、自分たちで模索しながら進んでいく道を選びました。と言ってしまえばかっこよいのですが、青年の手で進めるということは乗り越えなければならない未知なる山が非常に多く、困難も多いということです。  月一回程度の会議の中で、今どんなことがみんなの要求なのか?どのようにすれば楽しく活動できるのか?情勢はどのように変化しているのか?など話し合ったり、取り組みを行ったり(※青年部準備会のあしあと参照)毎回試行錯誤しながら進めています。  私たちの青年部準備会はようやく青年部として、立ち上がります。青年委員会、その前身の乙女座を含めれば活動はもう6~7年になります。長い間に培ってきた経験をバネにして、更に飛躍した青年部となるよう一層努力していきたいと考えています。 2 青年を取り巻く情勢  21世紀を目前に私たち青年は、史上最悪の失業・就職難、大型公共事業への税金のムダ使い、世界の流れに逆行する軍事優先の外交など、社会のあらゆる分野での行きづまりによって苦しめられています。  多くの青年は仕事に働きがいを求め、何か人の役に立つことをしたいと願っています。ところが就職難によって職安には働く場のない青年があふれ、一方では職場でリストラが行われ、その穴埋めは労働条件の不安定なアルバイトや嘱託によって行われている現状があります。長時間過密労働によって働く者の命や健康までもが脅かされ、そのあまりの苦しさに自ら命を絶つ青年も少なくありません。  いまや日本の大型公共事業費は50兆円に膨れあがり、この額は日本以外のサミット参加6ヶ国の公共事業費の合計を上回っています。しかし、社会保障費はたったの20兆円しか使われていないという国民の利益より大企業の利益を優先した税金の使い方によって、医療・福祉・年金などの分野で切り捨てがすすめられています。福祉の現場で働く私たちにとってこのことは労働条件の悪化に結びつき、サービスを受ける側にとってはそのサービスの低下となって現れてきます。  昨年強行された「ガイドライン関連法」は、アメリカの起こす戦争に日本が協力させられるという、二度と戦争をしないと決めた憲法をおかすものです。「日の丸・君が代」の法制化、憲法を改悪する動きなど、世界が歩んでいる平和への流れに逆らい、日本を「戦争をする国」へ転換させようとする動きが強まっています。また日米安保条約により、核兵器の持込みや米軍の横暴がまかりとおり国民の住環境と安全が脅かされています。「この子たちを戦争へ行かせたくない」という、保育士の叫びが聞かれます。  このように、いま私たち青年を取り巻く社会というのは大きな矛盾をかかえ、そのしわよせはお年寄りや子供、障害を持つ人々を始め、私達青年にも寄せられています。人間の生きる権利を支える、福祉・保育の仕事を選んだ私達にとって、自分たちの生活や権利を守る運動と共に、この仕事をとおして社会の動きに目を向け、国民全体がよりよく生きてゆける社会に変えてゆくことが必要です。  長い人類の歴史のなかで、私たちが「青年」としてすごすのはほんの一瞬でしかありません。しかし、組合運動を通じて出会った仲間と共に、よりよい社会をつくり上げてゆくことにほんの少しでも関ることは、今後の歴史を築いてゆく上で大きな足跡となることでしょう。 3 私たちの目指す青年部像  青年組合員の中には組合活動の意義や魅力、組合員としての自覚や誇りを実感できず、なんのために「組合」をやっているのかわからなくなっている現状が少なからずあります。みんながみんな組合活動を活き活きと取り組めているわけではなく、仕事の一環という理由付けをすることもあります。しかし、青年は決して社会の事や自分の将来に無関心なわけではありません。このままではいけないと感じているし、わからないことをわかるようになりたいと思っています。ただ、どうやっていいのかわらないからとまどい、あきらめたり無関心を装ったり…。これは私たち青年が抱えている特有の悩みであり、社会のゆがみによってつくり出された弱点なのではないでしょうか。そこから大きな影響を受けている青年が自らそのゆがみをうち破りまわりの仲間と大きな連帯の輪をつくっていく、そんな青年部が今求められているのではないでしょうか。  私たちは今の不自由な社会から一人一人が「自由」になるための青年部を目指します。  そのために三つのことを大切にします。 ◎「組合の学校」としての役割を担う青年部  青年には青年独自の要求があり(遊び、学習、恋愛、夢、悩み…)、その要求実現の取り組みで生まれる様々な失敗や成功の経験ができる場としての青年部。  青年同士で笑ったり泣いたり、批判されたり励まされたり、同じ目線で語り合い成長し合える場としての青年部。  青年部は青年の目線を大切にし要求関心に応えることを大切にします。 ◎福保労の「現在」「未来」を担う青年部  青年部で豊かな経験を積んだ青年は組合活動の大きな力になっていきます。その経験を生かし、それぞれの分野で役割を果たす青年部。  将来の福保労を守り発展させることのできる力と経験を身につけることのできる青年部。  青年部は福保労の現在と未来の担い手になる事を大切にします。 ◎すべての青年を結集させる青年部  福祉労働青年を福保労に迎え入れていくための積極的な役割をはたせる青年部。  他労組、団体との交流、連帯など横のつながりを大きくつくっていける青年部。  青年部は青年運動の中で求められる役割を発揮していくことを大切にします。 4 青年部活動方針 ・各分会や地域においての青年要求や実態をつかむための取り組みを進めます。 ・「組合」をよく知る学習やわかりやすい情勢学習など、青年の知的関心に沿った学習を進めま す。 ・レクリエーションやスポーツ活動を企画し、大いに交流します。 ・全組合員にむけて機関誌及びニュースを発行します。 ・青年組合員を増やす先頭に立ちます。 ・青学連、京都総評青年部に結集します。 ・様々な取り組みを未組織の青年や他労組にも呼びかけ交流、連帯の輪を広げます。 ・全国の福祉保育労の青年と手を組み全国レベルでの活動を進めます。 ・分会、支部の活動を基本としながら、その中で求められる役割を果たしていきます。 ・その他、青年の要求に基づいて、やりたいことを思いっきりやります。  以上のことを揚げましたがその他にもみなさんからの意見を留意しつつすべての青年が活き活きできる青年部の活動を進めます。