-いいはなシイナ- 良い話しが聞きたいって? 面白い事言うね 解ってないな 今も昔もこの町にそんな話しはない 胸糞悪い現実が引きも切らず 目の前を行き交う うんざりだ まぁそんな話で良いなら あの娘もこの町の生まれ 誰もが口を揃え 誉め称え 憧れ 純粋で 古風で 涼やかな笑顔が印象的だって 淑やかで清楚で 透き通るような肌と声で 淡く香る甘い香り 挙って男子は彼女を奪おうと競った 多くの男子から言い寄られたが彼女は 「好きな人が居る」と断り続けた 彼女を魅了する幸せな男「ソイツは一体誰なんだ」と 毎日議論のネタになった 虚しく見えるが 実はこんな事が男同士 楽しい AC 彼女を祭上げた分 真実は益々驚きの風船を膨らます 本当の彼女は理想とは程遠い 男子を尻目に懸けて 彼女は週2の家庭教師と未開拓の体位で遊ぶ 「チェリーには興味なし」と もう一発楽しむ 家庭教師で欲求を晴らした後 チャットで引っ掻けた ラージなオッサン呼び出してドライブ 擦れた体許す代わりにプラダ揺する 週末にはビップルームで まっぱで 人気ディージェーと非合法燻らす およそ懸け離れた男子達は純白な彼女への憧れを抱き ドキドキしながら今日もベッドで健全に眠る この町に何もありはしない 浮ばれない話しばかりで 耳を塞ぎたくなる事実が痛い痛い お前と居たい したい 全て洗い流したい 何もかも忘れさせてくれる そんな曲ないかな この町に何もありはしない 詰らない話しばかりで 心閉ざしたくなる事実が痛い痛い お前と居たい したい 全て洗い流したい 何もかも忘れさせてくれる そんな曲ないかな あの二人もこの町の生まれ 誰もが嘆美の声を発して 共に篤厚で理想のライバルで この町の夢だって 二人ともコートを離れると兄弟のように離れず 笑い合った ずっと同じ道だと信じていた 分かれ道は大学だった 怪我に苦しんでベンチに座る事が増えた相方 皮肉にも実力を存分に発揮した彼の方は 無名の大学と自分の名前とバスケを有名にし 町の夢を叶えた ファンに黄色い声 スポーツ紙の表紙も飾ったが 彼は自惚れなかった 完治までの辛抱とメンタルでもプレイでも 誰よりも 相方を支えた 嫉妬か妬みか この手の話にトラブルは付き物 しかしあらゆる手口の毀損 汚損 破損 嫌がらせは大胆になり実家にまで 遂には彼女の愛犬が 昨日まであった愛くるしい尻尾が何処にもない 不本意ながら警察に届けた 犯人は程なく逮捕 メディアは真実を隠さなかった 被害者と加害者を餌にする御摩り医者 一生治らぬ怪我を負った 相方と相方の家族はバスケもアイツも憎かったと 「尻尾は喰ったが不味かった」と供述した この町に何もありはしない 浮ばれない話しばかりで 耳を塞ぎたくなる事実が痛い痛い お前と居たい したい 全て洗い流したい 何もかも忘れさせてくれる そんな曲ないかな この町に何もありはしない 詰らない話しばかりで 心閉ざしたくなる事実が痛い痛い お前と居たい したい 全て洗い流したい 何もかも忘れさせてくれる そんな曲ないかな 何処までも自分に厳しく 人に優しく 反れる事なく律儀に真っ直ぐ生きた 浮気もせず幸せな家庭を築いた 去年の秋 健康診断が奴の命にカウントを貼付した 余命一年 何かの間違い ジョーク「ひょっとして」に執着した 時間が無いのに多くの時間を受け入れる為に使った 暮れなずむ死の空 まだ奥さんは若い 子供も幼い どう家族を守るか懸命に考えたが 奴が考える以上に奥さんは若い 奥さんは誰にも相談せず ある日 子供を奴の両親に勝手強引に預け 金だけもって蒸発 復縁は無理という置手紙の下に 離婚届が際立っていた 御丁寧にハンだけ押せば成立する 奥さんが妄りか否かなんて もうどっちでも良い これまでの生活を畳んで 最後の花道に合う場所を探して バックパック背負って 日本を発った 何処で息絶えたか この町は知らない